「なら・デザインカフェ」行くのに家を出て振り返ると、生駒山に真ん丸の陽が沈む。電線がやかましい! この景色、美しいというのかな? ‥‥電柱・電線がなければね! バッドな景観ですね。
ここのことを書こうとしたが、この道路に名前がないので、「ここ」としか書きようがないが、‥‥。調べてみると、三条本町線(三条アンダー道路)というらしい。この“アンダー道路”なる道路がJR線の下を潜っていたのが、JR関西線・桜井線が高架になったためGLレベルで平面道路に埋め戻す、という工事のため交通止めになり県道1号線で、県道745に迂回。バスの中からデジカメ。
「なら・デザインカフェ」 今日のテーマは、奈良の「グッドデザイン バッドデザイン」「奈良の道に名前をつけよう」でした。
テーマ① 「奈良の道に名前をつけよう」
これは前回のデザインカフェの時、僕がちょっと言ったことだったが、今回のテーマに取り上げられた。つまり、奈良のそれぞれ道に名前がついていないということだ。国道何号線、県道何号線では、奈良らしい情緒を感じられない。ヨーロッパへ行くとどんな細い狭い道でも名前がついていて角の建築に道の名のプレートはついているから、イタリア語ができなくても地図を見ながらどこへでも行かれる。
奈良は1300年前に立派な都市計画がなさたのに、今の奈良の道にはその都市計画の痕跡が見えないのが残念である。上の写真でも、三条通りでもないのに、県道生駒線~三条本町線(三条アンダー道路)なのだ。グーグルマップでは県道1号線。
テーマ② 奈良の「グッドデザイン バッドデザイン」
話すタイミングか無かったので、ここでちょっと‥‥建築家の立場から奈良の街を見て、グッドなデザインの建築・景観ってあるかな? と考えてみても、さっと頭に浮かんでこないが、バッドな建築は街中そこいらじゅうにあって‥‥。これもいちいち挙げるには大変だ。しかし奈良には本物の建築がいっぱいある。だから僕は6年前、奈良に越してきたのだ。薬師寺東塔、唐招提寺金堂、東大寺法華堂、東大寺転害門、十輪院本堂、そして正倉院。まだまだあるが、どれも奈良の時代にできた建築で、新しくできた建築でいいものは、‥‥吉村順三設計の奈良博物館は奈良公園にありながら景観を壊していない唯一の建築。先日、狭辞苑展をやったとき、丹下事務所時代の友人が来てくれたとき、磯崎さんの設計した、なら100年会館とそのまえにある黒川さんの設計したマンションを案内した。彼らの感想(100年会館について)⇒①外部の形と内部が一致していない。②奈良の街にしては大きすぎるのではないか。③僕が説明したのは、この奈良で一番大きな施設に映写室が無いので、ここで映画をするのは無理~機能的致命的欠陥。川瀬直美の殯の森を見たとき、映写機の送風機の音が最悪。
バッドな建築をここで挙げるのはやめておこう。言いたいのはやまやまだが、個々人を批判・攻撃することになるし、良い悪いは人によって感じ方が違う。美意識も違うから、‥‥。ただ、上に挙げた写真のように奈良は実に電信柱・電線が美しい空を醜くさせている。美しい景観を壊しているもう一つは、‥‥明日香・稲淵の案山子。これを犬養孝が見たらどう思うだろう。今年はこの時期ここには立ち寄らなかった。案山子を見たくないから。案山子や“せんとくん”のような作り物で村興し、人寄せは本物ではない。平城遷都1300年祭は成功したというが、“せんとくん”や復原建物の“大極殿”ではなく、もっと良い“本物”を観光資源にしたいと思う。これからの奈良を考える上で、“本物”の奈良を考え直すこと、がグッドなデザインに繋がっていくものと考える。