2013年12月19日木曜日

12/19(木):《新国立競技場》問題


猪瀬辞任のニュースが流れたが、この問題と直接関係ないが、猪瀬前知事はオリンピック・パラリンピックの招致に尽力したことで、僕の脳味噌の回線が、《新国立競技場》の問題に繋がってしまった。
先日来、在京の建築家たちがFacebookで《新国立競技場》問題を議論しているのを脇目で見ていたのが気になっていたのだ。回線が繋がったからには、経過を纏め、僕も一言くらいと思い、下に記しました。(以下敬称略)

---------------------------------------------------------------------------------------------------------

■ シンポジウム:新国立競技場を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える(槙文彦・陣内秀信・宮台真司・大野秀敏・古市徹雄)
http://www.ustream.tv/recorded/39735449
注):槙文彦は世界的に著名な建築家であり、代官山のヒルサイドテラス青山通りのスパイラル京都の国立近代美術館千駄ヶ谷の東京体育館(新国立競技場に隣接している)、ニューヨークの9.11跡地(グランド・ゼロ)にWTC超高層ビル72階建などを設計している。


■ 新国立競技場のコンペは応募46案から11案が残り、最終的にザハ案に決まった。
http://www.jpnsport.go.jp/newstadium/Portals/0/NNSJ/finalists.html

■ 新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える(pdf 12頁目):槙文彦
http://www.jia.or.jp/resources/bulletins/000/034/0000034/file/bE2fOwgf.pdf

■ コンペ審査員・内藤廣のコメント(12/9):「建築家諸氏へ」

■ 古市徹雄のコメント(12/10):「失われたアーバン・デザイン」

■ 竹内昌義のコメント(12/10):「国立競技場について」

■ 横河健のコメント:「内藤廣さんのメッセージ」
https://www.facebook.com/ken.yokogawa.3/posts/185267161676314


■ コンペ審査員の鈴木博之のコメントが毎日新聞12/11にあるようだが、私は読んでいない。Facebookで森桜が要約をコメントしているので参照されたい。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100001367297529&hc_location=timeline

■ change.org 神宮外苑の青空と銀杏並木を守ろう! 巨額の建設費をかけない、いまある国立競技場を直して使おう! http://chn.ge/1e5AbUN

■ YouTubeにこんなのが載っていた。https://www.youtube.com/watch?v=R-74F5BwrGk#t=428
---------------------------------------------------------------------------------------------------------

以下、Facebook、Blogに僕が書き込んだもの。
■ 入選案が発表された日の僕のBlog(2012/11/18)
に、「自転車のヘルメットだね???」と書いた。http://dejikame-nikki.blogspot.jp/2012/11/1118_18.html




■ Facebookの友人の記事にコメント(12/10)、「 全文読んだ。これが斬新なデザインだろうか??? 街のどこでも見かけます。」と書いた。https://www.facebook.com/
tetsuo.furuichi.3/posts/786914637990593



■ Facebookのコメント(12/10)に、奈良から一言:昨日、奈良の唯一の祭《春日若宮おん祭り》がありまして、御旅所で深夜まで能・雅楽などが奉納されます。ここで、おん祭りの話しをしようと云うのではありません。新国立競技場について一言です。


添付した写真の木立の一番低いところに、吉村順三先生が設計された《奈良国立博物館》が建っていますが、若宮さんの御旅所から見て、全く邪魔な風景になっていません。歴史の風景がきちっと守られています。吉村先生はこのことを十分考えられて設計されたと思います。

新国立競技場と奈良国立博物館とは、規模と建築の種類目的が違うので、比較するものではありませんが、『歴史・文化と建築の関わり方を教えてくれる銘建築』だな、と考えながら夜遅く迄この祭を見ていました。

■ 続き、奈良国立博物館の外観。設計:吉村順三。
新国立競技場のコンペについてもう一言二言書きたいことがありますが別の機会にします。



■ 奈良の銘建築をもう一つ。なら100年記念館。設計:磯崎新。
大ホールで音楽を聴いたことが無いのですが、中ホールは壁面がガラスなのだが音響がとても良く、いい建築だと思うが、建築のボリュームが大き過ぎる。
大ホールに入るには広い幅の階段を1階分上がって入るが、大ホールのホワイエのレベルをグランドレベルとフラットにすれば、全体的にボリュームが1階分低くなる。JR駅前に面してはいるが奈良の街には大きすぎる建築だ。
隣に黒川の集合住宅が建っているが、これは醜悪、ボリューム感も大きい上に私が奈良に越してきて初めてこの建物を見たとき、生活感が見えなく工事中に足場を外したのかと思った。

---------------------------------------------------------------------------------------------------------


■ Facebookに「新国立競技場のコンペについて、一言二言書きたいことがありますが別の機会にします」と書いたからには、一言二言書かねばならない。

■ 最初に断わっておきますが、私は東京代々木で建築の設計事務所を25年間主宰していたが、7年前、設計をやめ奈良に越した。そのため10年近く建築に携わっていないので、考え方、感じ方に多少のずれがあるかもしれないことをお許し願いたい。一個人的な見解として見て頂ければと思う。


■ 新国立競技場の建替え案が発表されたニュースを見てそのデザインに違和感を覚えた。その違和感は、「なんだ自転車のヘルメットじゃないか、それに敷地にあふれんばかりのボリューム感」だった。

■ Facebookで古市徹雄の記事に「失われたアーバン・デザイン」という記事が載り、このコンペの審査員である、内藤廣の「建築家諸氏へ」というコメントを知った。

■ コンペの審査員である、内藤廣の「建築家諸氏へ」を読み、さらに違和感を覚えた。まず、「建築家諸氏へ」というのは誤りで「みなさまへ」とすべきだった。建築家(関係者)同士で言い合いをしても埒があく問題ではないからだ。マスコミなどを通して全国民的、全世界に発信すべき事柄だと思うからだ。

■ 審査委員長のとりまとめの言葉云々というくだりは何を意味しているのか解らないが、こう言った審査会で意見を取りまとめると云うことがあるのだろうか? 
話しは飛ぶが、最高裁の判決で5人の裁判官で賛否が3:2に分かれた。当選民主主義的には3人の賛成意見が尊重されりのだが、反対したのは裁判長を含んだ2人だった。そこで裁判長が意見を取りまとめること無く反対意見は消えたのである。
今回のコンペの審査会で、各審査委員がどの作品を推したのかが公表されていない。審査委員長が取りまとめると云うことはどういうことなのか知りたい。また、審査委員長の発言や公式発表を超えた発言は控えたいと言うが、どういうことだろう? 審査委員長はまだ何も発言していないのですが、……。

■ 国際コンペとなると、応募案は匿名で審査されるべきだと思うが、内藤廣の文面からはそれは読み取れない。

私も国際コンペに応募した経験があるが、提出図面には氏名などは記入せず、暗号を図面の裏に書き、密封した封筒に暗号を封入した。こうすれば、応募案が誰の案なのかが最後まで伏せられる筈だが、「建築家諸氏へ」の文面から、ザハの案と云うことが解っていたとも読み取れる。(追記:匿名性は確保されていたようだ。当然のことだけどね)

公正であるべき審査結果は、公表すべきです。

随分昔のことだが、京都の国際会議場がコンペになって、大谷幸夫の案が実施されたことは周知の事実だが、この時は応募全作品が冊子になって発刊されている。

■ このコンペに応募資格の問題です。応募資格が国際的な建築賞の受賞者のみということに、「建築家諸氏」は怒りを覚えないんでしょうか。「俺は応募したかったんだ!!!」と。

■ ところで我が国に、国際的な建築賞に該当する建築家って、何人居られるのでしょうか?

■ 世界的メダリスト46案が応募したようで、11案が2次審査、という発表があったが、11案中、ハッとするような案が無かった。世界的メダリストの力量不足?を感じた。46案に中にハッとするような案があったかもしれないし、オープンなコンペにすればもっと面白がっただろう

■ シンポジュームの論点は、ザハのデザインの善し悪しではなく、審査会を批判しているものではなく、神宮外苑の景観について論じている。

私は在京時代に神宮外苑付近の景観について知っているが、神宮外苑に行ったことが無い全国民的に知られていないと思う。であるから神宮外苑の景観論争に、地方の人たちは入り込めないのではないかと思われる。

言っていいのかどうか解らないが、敢えて言ってしまえば、関西では少なからず「東京のことじゃないか」っと感じている方々もいるだろう。

先日、奈良の景観について、「おん祭のお旅所と吉村順三設計の奈良国立博物館との景観的、歴史的について少し書いた(Facebookのコメントで長々しくは書かなかった)が、これに反応した人は誰も居なかったことを裏返しに考えれば、「奈良のことじゃないか」という声が聞こえなくもない。神宮外苑の景観について、奈良県人(関西人、ひいては在京以外の方々)は然程の興味を感じていのではなかろうかと思われる。

景観論争はやはり、マスコミの力を借りて、全国的に神宮外苑の敷地に、あの大きなバルキーな自転車のヘルメットのような物を建てて良いのかの景観論争にしてもらいたい。

NHKでも新国立競技場の問題を取り上げたが、予算が膨らんだことと、オリンピック以後の採算性についての話しにとどまり、神宮外苑の景観については触れられなかった。

■ 行政が一度決めたことを覆ることは考え難い。

■ 最後に、私はこのザハのデザイン、良いとは思わない。自転車のヘルメット(上に写真)が、競技場の巨大な屋根に置き換えられただけのデザイン、斬新で、そして生命力と日本を元気づけるデザインなのでしょうか?